XPECとオルトプラスが資本業務提携

2016-04-25 ⋅ 台湾/台北

XPEC(3662)は日本のモバイルゲーム上場企業・株式会社オルトプラス(以下、「オルトプラス」という)との資本業務提携を発表した。両社は業務統合を進め、資本においては株式の持ち合いを行う。中華圏のゲーム会社が日本の上場企業の筆頭株主となるのは初めて。

XPECは先週金曜日(22日)、この投資案を採択し、本日午前9時半に新店本部でXPECグループの許金龍董事長とオルトプラスの石井武社長が契約締結式を行った。

オルトプラスは2010年に設立され、2年後に東京証券取引所で一部上場(証券コード:3672)。日本の証券史上における会社設立後の最速上場記録を更新。この記録は現在まで破られていない。資本提携では、XPECはオルトプラスが発行する転換社債型新株予約権付社債(8億5500万日本円)を取得し、3年以内の適切な時期に株式に転換する。転換価額は過去1カ月の平均株価である382日本円。先週金曜日の終値412日本円に比べると割引率は7.9%となる。全て転換すると持株比率は19.9%に達し、筆頭株主となり、董事(役員)が1名選任される。

オルトプラスはXPECの仲介により、6億4600万日本円で、XPECの既存株主であるEminent Globalから来年1月期のプライベート・エクイティ165万6367株を取得する。持株比率は1.12%となる。持株単価は契約締結の1日、10日、20日、30日前の平均単価のうち高いもので計算され、購入価格は1株当たり114元となる。XPECによると、3年前に発行したプライベート・エクイティは今年の下半期から公開発行の申請が可能となり、将来的な市場の急落に備えるため、継承先となる提携パートナーを探し、株主陣を強化するという。

業務提携においては、オルトプラスは日本のGREEやモバゲーなどのSNSプラットフォームで人気のバハムートブレイブなどの数々のゲームをリリースし、GREE Platform Awardの総合大賞、RPG最優秀賞などの賞を獲得している。日本の大手ゲーム会社と良好な提携関係を持ち、「聖闘士星矢アルティメットウォーズ」、「エンペラーズサガ(SQEX)」、「スーパー戦隊バトベース」などの人気のIPモバイルゲームをリリースしている。XPECは今後さらに日本のIPを把握し、提携開発を展開していくとしている。このほか、オルトプラスはベトナムに極めて高水準のIT技術チームを持ち、運営業務を専門に行っているため共同でベトナムでのビジネスチャンスを模索するという。オルトプラスは今後、全てのゲームの美術製作をXPECアートセンターに任せ、傘下にある日本のモバイルゲームは廈門同歩推に任せて中国市場を開拓し、台湾・香港・マカオ市場はXPECが主導することを承諾している。

XPECの許金龍董事長によると、今回のオルトプラスの資金調達計画には多くの日本と中国のゲーム会社が興味を示し、中国企業は東証一部上場企業に入ることさえできれば価格にも比率にもこだわらないとの低姿勢を示していたという。最終的にXPECが勝利を収めたポイントは、長年にわたって日本市場で経営してきた実績と評判であることは誰の目にも明らかである。そして、オルトプラスの石井武社長と古い付き合いであったことも、今回の提携を結ぶに至った理由であるという。

海外での投資は初期に莫大な費用がかかるため、現在オルトプラスの経営は大きく落ち込んでいるが、今後徐々に改善していくことが見込まれる。許金龍董事長によると、転換社債型新株予約権付社債の方式で投資を行うことにしたのは自由に攻守を展開できるためであり、XPECの財務にとってプラスの影響が大きくなる方向に向かい始めるまで静かに待ち、株式に転換する機会を伺うとのこと。今回の投資によって、台湾、中国、日本の関連リソースが統合され、XPECのIP、開発、運用、流通を結合した全体的な競争力が構築された。

Share